2005年5月14日  針ノ木峠 雪崩・転倒いろいろありました

マヤクボ分岐点2200m以上は、10ー11日の降雪で20cmの新雪となってました。堅いざらめの上に新雪が乗っていて、あちこちで、デブリがありました。

1時50分に峠からドロップしようと下を見ていると、未だ登ってくる登山者が5人ほど居ました。

右側の山頂からボーダーがドロップしようとした途端、雪崩が発生して登山者めがけ落ちていきました。上から皆「あぶない、逃げろ」という大声がでました。

少し遅れて気がついたようで、何人かは走って逃げました。お一人だけ逃げ遅れたのですが、幸いなだれの先端がその人の手前で止まって無事でした。


1mくらいのデブリで小さいですがスピードがあるので当たったら怪我したろうと思いました。

雪崩を誘発したボーダー急斜面に呆然と座り込んでいます。
 登山者たちは、なかなか危険地帯から逃れる様子がありません。本来ならば、あわてて下るのが正解だと思うのですが、登ってきます。

ドロップする人たちは、彼らに雪崩、雪玉をぶつけるわけにもいかず、
左の急斜面を慎重に降りていきます。

ボーダーも十数分してから、雪崩後斜面を降りてきます。堅い雪面を削る音がしますので、大丈夫です。

ボーダーは、登山者たちのところによって、謝っている様子でした。

今日は、2年ぶりに大阪の千里丘モーグル研のmoroさん達と針ノ木で合流してセッションとなりました。石松遅れて扇沢に到着、moroさん達より1時間20分ほど遅れて扇沢9時10分出発です。携帯で連絡すると、最後の突堤付近だそうです。やはり1時間以上遅れてます

最後の突堤9時53分です。

石松ハイドレーションパワーで、どんどん登ります。

 20分前に出発した人たちが見えてきました。


石松ここから、全力で登ります。右のスキーヤーもシールでどんどん登ってきます。


20分後、デブリ地帯に到着、ちょうど1時間で十数人抜きました。ここ数年石松では、考えられない、ハイペースです。やはりハイドレーション効果です。5分ほど休憩していると、先ほどのシールのスキーヤーに追い抜かれました。

デブリ帯を越えて、急斜面を登ります。積雪があって、踏み跡が沈み込みます。

11時20分ようやく、マヤクボ分岐点に到着、千里丘のメンバーと思われる集団が居ません。

 お一人、お若い方が休憩されてます。どうやら、千里丘の方でFJさんでした。moroさんはと聞くと
まだ、後からだというので振り返るとスキーを履いて登ってくるmoroさんが居ました。

石松追いつくのに必死で横も見ずにどんどん人を追い抜いてきたので、千里丘のmoroさんとオッチさんに気づかずに抜いてしまいました。

おかげで、30代前半の時のような登坂記録を作りました。2時間10分で、840mを登りました。
 1時間で400m弱ですので、普段は、時間300mですので、30%増です。さすが、疲れましたが、
千里丘の皆さんにお会いできて良かったです。

大阪からいらしたというご婦人も旦那さん達が待つマヤクボ分岐点に到着、金剛山を何千回も登山されているそうです。石松もそのくらい、練習しておかないと年金世代になった時、山スキーが楽しめなくなってしまうと思いました。

マヤクボ方面、人がたくさん張り付いてます。まっすぐ登ると、雪がとぎれているので、右の急斜面にいかないと松を越えなければなりません。
 新雪のおかげでトレースがくっきりついて、冬並のいい感じですが、結構食われてます。

マヤクボのほうが峠より人気がありますね。

のんびり休憩していると、12時になってしまいました。針ノ木峠まで最後の300mを登ります。
FJさん、moroさんいいペースで登ります。
石松ここまでのスパートで、使い果たし気味なので、
休み休み登ります。

 降りてきたスキーヤー雪が超重いと言ってました。

針ノ木峠直下の斜面結構急です。新雪が20cmくらいざらめの上に乗っていますので、表層雪崩がおきそうで心配でした。右の斜面はあまりくずれてませんでした。

こんな大きな塊(ダルマ)が落ちてました。雪庇が崩落したのではないかとの話しでした。こんなに当たられた分にはひとたまりもありません。稜線の雪庇が気になります。とにかくこの危険地帯を早く逃げるために、必死で登りました。

1時ちょうどに針ノ木峠到着。稜線には、10人くらいのスキーヤーが居ました。

大阪のご夫婦は先にドロップです。千里丘の皆さんとは八甲田スキーでよくお会いするらしく、大阪弁が飛び交ってます。旦那さんは、ほぼ毎日金剛山登山をなさっているとのこと、健脚そのものでした。

ちょうど、稜線組がドロップしようとした時、先ほど山頂に登ったボーダー一人が山頂からドロップした途端表層雪崩が登山道のダルマめがけて落ちていきます。

 数秒間の出来事でしたが、先端が登山道まで到達、登山者5人があわてて逃げました。
上からも大声で危ない危ないとの声がでました。

 下からだと雪崩は発見しにくいのだとわかりました。

ようやく登山達がダルマの上まで登ってこれたので、私たちも左斜面トラバースして、左の林のある尾根スジに移動してドロップすることにしました。

一番手は、慣れている石松が引き受けて、斜滑降で左斜面に入りました。重い雪ですが、何とかターンをしていると、3ターン目ターンが終了した時に谷側につんのめって顔面から転倒しました。帽子もメガネもすっ飛んでしまい。帽子はあったのですが、メガネがどこかに沈み込んでしまい、moroさんも探してくれたのですが、見つからずに、石松これから、ピンぼけ視界で雪渓滑りとなりました。だいたいこの時期に20cmからの新雪ですのでメガネが無くなってしまうという珍事になったわけです。積雪があれば、冬に逆戻りですので、普段のように、予備メガネ、メガネのひもなどしっかり用意してくればよかったと後悔しきりです。

何が、残念といって、千里丘モーグル研の皆さんの滑走ムービーを撮ろうと思って、セッションしたのですが、石松度近眼のためメガネ無しでは、滑っている人がどうしているかほとんど見えません。

尾根すじの林の中は、雪が残っていていい感じでした。moroさん絶叫すべりの後、石松そろりそろり降ります。その後FJさんもオッチさんも絶叫かっ飛びで降りてきます。結構重い雪ですが、皆さんふつうに高速ターンをしてます。明らかにテレ上級者です。しかも、こんな重雪でなめらかな弧を描けるので、相当山スキーに慣れている感じがしました。

左FJさん、右オッチさんすごいスピードターンでした。

オッチさん2年前よりさらに足前あげました。

休み休み降りて行きます。何しろ高速でターンするので、皆さん息切れしてます。1本1本に対する気合いが入ってます。
 石松は、moroさんに先導されて、凹凸が少ない斜面小回りで滑りました。
もう少ししかありません。

デブリ地帯も、先週から融けて、左隅なら何とかスキーですべれそうなので、FJさんについて、降りていきました。

ようやく、突堤が見える緩斜面に出て、石松もすいすいとmoroさんの前に出て滑れるようになり、moroさんの写真を撮ることができました。本来メガネがあれば、皆さんのムービーをたくさん撮れたのですが、申し訳ありませんでした。

それにしても、千里丘のテレマーク部隊、相当ハイクラスのテレマーカーです。つぶぞろいの集団が高速で雪渓を降りてくる様は絵になったと思います。

残念でした。

扇沢についたのは、4時過ぎになってました。

 一度、扇沢でお別れの記念写真を撮らせていただきました。左かオッチさん(今シーズン大阪ー八甲田30数回通いだそうです)、moroさんも八甲田通い数十回だそうで、FJさんも山スキー精通されていて、とても モーグラーに見えませんが、皆さんアルペンを履く飛んだりはねたりが本職だそうです。

 この後、石松追跡登山の疲れがたまって、葛温泉にきました。温泉につかってあがる時脱衣場でまた、皆さんにお会いしました。

葛温泉、筋肉、関節には効きます。

針ノ木から15分でいけますので高瀬館がおすすめです。