5月23日  念願の飛騨沢ちょっと滑り

5時前起床、私が起きるとベテラン登山者さんが待っていたように朝食作りを始めた。寝ている私に気をつかって音をたてないようにしてくれたのだ。さすが、ベテランは山小屋でのマナーもスマートです。二人で窓から天気をみて、携帯iモードで天気概況を読んで、冷たい空気が上空に入り込んで時々天気がくずれるとの表現にベテランさんは、下山を決めたようです。私はちょっと登るというと、スキーは逃げるのが早いから大丈夫だろうと言ってくれた。ベテランさんは、愛知県からいらしたそうで、西穂から奥穂、槍まで行こうと思ったらしいがアイゼン忘れたそうで、槍だけでも行こうということで槍平まで来たそうだ。何しろズックで槍平まできてしまった。登山靴は背負っていらした。林道が長いところはズックが便利だとおっしゃってました。武勇伝は、日帰りで西穂、奥穂、北穂、槍を登って飛騨沢を下って新穂高まで戻って帰ったことがあるそうで、西穂、奥穂の難コースが面白いと表現されてました。30年も登山されていると、身ごなし、準備もすごく早くてスマートです。荷物のまとめ方がものすごく早いです。

飛騨沢右カーブ頂点まで登って終わり。

飛騨沢方向を眺めると、低い雲に覆われている。視界があるところまで登って下ろうと思い5時40分出発。夏道に沿っていくが雪と岩が混在していて道を見失うことが多く。GPSで夏道を見つけながら登る。息切れがすぐする。2000mくらいで息切れするとはおかしい。昨日の疲れがとれてないのだろうか。全然ピッチがあがりません。とにかく飛騨沢の見えるところまで絶対行かないと思う。

左に沢の流れの音を聞きながら、片斜面をトラバース気味に登る。沢降りると高度を損する。結構樹林帯がある。なかなか、飛騨沢みぎカーブ地点につかない。

1時間してようやく、飛騨沢カーブ地点が見えてきた。まだまだ、遠い。

まだ、この辺で2300mまできていない。1時間半かけて200mしかのぼっていないとは、軽荷では遅すぎるペースです。やはり、昨日の疲れかぜんぜん進まない。もう少しで、右カーブの頂点にくる。頂点までいけば、飛騨沢がみえるはずと思い。だまし、だまし登る。雲がだんだん低くなってくる。

ようやく、右カーブ頂点、しかし、まだ、飛騨沢を眺められる地点には届かない。雲がどんどん降りてきている。今日は飛騨沢全体を眺めるのは無理なことが判ったので、ここで、スキーを履いて降りることにした。残念だが、ガスに巻かれて、雷雨にでも追いかけられたらたまったものではない。また、来年の楽しみにすることにした。

雲が一瞬切れた。千丈乗越だろうか、尾根筋が見えた。数十秒後まどんよりした雲に覆われてしまった。

スキーを履いたがカーブの頂点からなので、 カント状の片斜面で斜滑降で滑った気がしない。でも、振り向くと結構下ってきてしまった。どんどん、ガスが降りてきている。

川沿いは、雪で覆われているが落ちたらいやなので、樹林沿いを滑って降りれるところまできた。槍平小屋から350m地点までは滑っておりらえた。結局15分ほどの滑降であった。

槍平冬季小屋について、残しておいた荷物のパッキングである。長い下りに備え、沢水をスーパーデリオスで濾過した。スーパーデリオスは、あじ、臭いは除去してくれることがわかった。沢水などちょっと心配な時に300mlを汲んでちゅーと絞るとすぐ飲めるので便利で安心である。軽くてまるめて持ち運びできるし安いのでお勧めです。ただし、ウィルスは除去できないので、魚が住める程度の水が目安だそうです。しかし、その程度の水でないといくら濾過しても飲む気があしませんので、スーパーデリオスの商品企画は当たりだと思う。

さようなら、槍平、飛騨沢。十分に登って、滑りおりることができなかった。昨年から念願の山スキーコースであったが、天候と体力にめぐまれなかったのでしょうがない。でも、苦労して登ってきたので、悔しい思いがした。石松としてめずらし口惜しい撤退であった。

1時間で滝谷着、夕べの雨で行きより増水していたので昨日渡った場所だと靴が濡れてしまう。石松は濡らすのが怖いし、この辺で昨年流れに落ちて死亡事故が起きていると聞いていたので、よけい緊張してしまう。そのため、上流に登って、濡れないポイントをさがした。なかなかない。上流でも足でまたげる距離で岩がある場所が少ない。いっそのこと岩を落として踏み場を作ろうかと思ったが結構思い岩が多いのでだめ、最後の最後200mlくらい上流で中州までは簡単にいけて、最後の向こう岸の岩にとびつけば何とかわたれそうなポイントがあったので、えいっと気合いをいれて飛んだ今日一番気合いが入った瞬間あった。落ちたらずぶぬれであったろう。

反対岸に渡って安心して岩で甲羅干ししていると、沢の上から登山者がおりてくる、どう見てもクライマーではない。どうやって滝谷を降りてきたのだろうか。今でもわからない。その人、私が渡るのをとまどった一番流れの急なところを一度片足を水のつけて、ひょいと岩にわたり、さらに次の岩にわたって、最後はジャンプして渡った。やはり、靴を濡らさないと渡れなかったようだ。こっちは、濡らさないで渡ったのはいいけど、登山道に戻るため枝や岩にへばりついてやっとこ登山道まで戻ることができた。こんどから靴が濡れないようなカバーをつけてじょうずに川をわたるようにしよう。

滝谷渡渉で、小一時間かかったので、白出沢着12時でした、3時間20分もかかったことになるが実質は2時間半でしょう。あとは林道をとぼとぼ歩く。トレッキングシューズで足は軽いが肩と腰ももが痛い。1時荷穂高平に着いた。車が2台あった。
 小雨が降り始めた。天気予報おおはずれである。新穂高まで降りると、観光客が珍しげに寄ってきてごくろうさんと言われる。残雪スキーの時期ですね。スキーを背負って奇異に見えるらしい。

初日へ