テレマーク雑感 1 自己中のテレマークターンです(^^)
2013年更新版は青字
2016年11月更新版は赤字
2017年1月更新版は緑字
2016年でヒールフリースキーにはまって31年目になる。
ひたすら、テレマークしかしないでスキーを毎シーズンやってきた。
●温暖化の影響で変わるテレマーク遊び
温暖化の影響で白馬は2016年に続いて史上まれにみる少雪となってます
これは、来年も再来年も悪化していくことを示唆してます。テレマークスキーにとっては
少雪であることは、新雪が少なくバーンが堅くなってターンしにくい状況が増えることを意味
します。これをさけるにはバックカントリーにいくか、非圧雪ゾーンに行く以外にありません。
問題は、テレマーク入門者が、いい雪のあるバーンで練習できるチャンスが減るということです。いずれにせよテレマークも本来のバックカントリーへ回帰していかないとならない時代にきているとうことだと思います。
●アルペンターンとテレマークターン
2017年1月から本格的にアルペン練習をはじめて3回目で初級者くらいまでなりました。
がらがらの1月4日八方ガラガラのリーゼンを一気に10本滑って上達できました。 そこで、さとったのは、アルペンターンは、内足を前にだして膝を曲げることで内傾を作って谷足荷重メインで板をしならせてターンを作ります。テレマークは、真逆で内足を後ろに曲げて内傾を作って、同時に前板と後板をくの字にして前後の板でターン弧を作ります。
原理上、効率がよく近代的なのはアルペンターンです、ターン弧の剛性が1枚の板で構成するからです、テレマークのように前板と人間の足腰と後板の3部品でターン弧の剛性を構成している場合はどうしてもターン弧が軟弱で雪面からの反力に負けてずれずれのターンになってしまいます。
●テレマークが意味の無いものなのかというと、
@運動量が多い
1ターンごとの使うエネルギがアルペンターンの数倍あると実感してます。これは、時間あたり効率の良い運動ができるということですので体には良いスポーツだと思います。
A体への衝撃が少ないから故障が少ない
アルペンは、剛性が高いことを求められるので靴をぎちぎちにしてビンディングにがっちり固定しますので、足が板と一体化します。その分、衝撃がダイレクトに足に伝わります。
テレマークに比べて、アルペンは故障しやすいと思います。アルペンで練習してるとテレマークでは感じたことがない腰の痛み、関節の痛みがすぐでます。つまり、長年健康にスキーを続けるにはテレマークのほうが故障がすくなく高齢まで楽しめる(体力が持てば)といえます。
B達成感がある
アルペンに比べてターンが全身を使って仕上げますので、1ターン1ターンが渾身の力をつかうことになりますので難度が高く、ターンがうまく行ったときの達成感と満足度がアルペンターンでは得られないモノがあります。人間、努力して達成することで得られる達成感は長寿のポイントになるそうです。達成感がたまらなくて30数年間テレマークをやってこられたといえるかもしれません。60歳になってもどんどんテレマークで成長を続けていかれることで達成感と喜びであります。道具に頼っている部分が多いですが、道具のおかげで、体の使い方を学べているということだと思います。
●60歳からの私の遊び方
早めにリタイアしてスキーを三昧の生活をしたいのが30数年来の夢でした。
アルペンターンは、その特徴から堅い雪面、超急斜面、超小回りなどが得意です。
テレマークターンは、柔らかい雪面、広いコース、中周り以上が得意です。
これらの特徴を生かして、堅い雪の日はアルペンを履いて、柔らかい雪の日はテレマークにします。超急斜面、超小回りは、コルチナ稗田山の林間密林をさします。
運動量が欲しいときはテレマークで、しんどい時はアルペンという選択もあります。
1980年代の第一次ブームの時は、細い板で皮靴で3ピンで滑るのがテレマーク
でゲレンデでまともに滑るテレマーカーなどめずらしく、横にずらして滑るのが
テレマークターンなのかとアルペンスキーヤーの友人に聞かれてしまった。
●テレマークターンとは、
テレマークスキーのターンの原理は、前足と後足で進行方向に対してくの字に
して1本板の弧のように構えることでターンを行うものです。そのため、後ろ足の
膝を曲げて前後差を作り、同時に上体の傾きを発生してターンの遠心力に備える
というスキー技法です。後ろ足のかかとをあげるためにテレマーク姿勢をとるのでは
なく、ターンの弧と全体の重心を移動するため、かかとが浮いてないとターンができな
いからなのです。ですので、1980年代のように細いカーブがない板でも前後差でターン
を作っていけば曲がるはずでした。
●横ずれテレマーク
なぜ横ずれするかというと、板が雪面に食い込んでないということです。
テレマーク姿勢は、板に荷重(体重分の重さ)を与えることは当然できるのですが
加重(動的な力)を与えることが難しいからです。
テレマーク姿勢そのものが、板と上体の間の大きなクッション(バネ)になっているため
加重の力がストレートに板に伝わらないからです。つまり、抑えが弱いのです。
このような、特徴を持つテレマーク姿勢ですので、ゆっくりと後ろ足に加重をかけないと
十分な加重になりません。加重したつもりで急にターンにはいると、加重されていないため
後板が流されて横ずれしてしまうのです。
2011年度靴をエナGに履き替えてから気づいたのですが、カービングするためには、
板を雪面から離してはいけないということがあります。テレの切り替え時にジャンプする癖がついていると、カービングで切れません。カービングする時は、切り替え時も雪面から離さないようにスライドさせて、谷足に体重を乗せていくことが重要だと気づきました。
加重がすぐにはかからない構造だから常時加重状態にしないとずれるということです。
スカルパT2からエナGに乗り換えるだけで、カービングの切れが全く変わります。
エナGは、内エッジに加重がかかるように底が傾いているのではないかと思います。
ですので、内に加重がかかるようにワイドスタンスでカーブすると抜群に切れます。
アルペンスキーを始めてきづいたのですが、アルペンは板をしならせて弧を作って雪面に弧を描くターンテクノロジーです、ですので板にモーメントを与えるために靴と板を剛接します、それどころか、靴と足までぎちぎちに接続するためきつい靴を履くことになります。長年テレマークをやってきた身としては、足がすぐ痛くなる、関節に衝撃が来るなどちっともいいことがありませんでした、しかし、雪面を切る力はテレマークの何倍もあります。人力というよりは板の力で曲がるのです。テレマークは、前後で弧を作って舵をとるので人間の足腰が雪面を切る力の元になるターンテクノロジーです。ですので足腰の剛性は板の剛性よりは弱いので雪面に負けてしまうのです。
●1980年以降の道具の発達
最近では、よっぽど初心者でないかぎり、横ずれテレマークターンが少なくなっています。
それは、板と靴による効果が大きいです。
板に加重することがしにくいテレマークで誰もがターンを簡単にできるようになるため
には、前後差による弧を描くより板が勝手にたわんで弧をえがいてくれれば前後差の弧
ができなくても曲がってくれるはずです。
カーブが大きくて柔らかい板を履くとほっといてもすぐ曲がりますのであまり加重をしなくても曲がってくれます。これが、最近テレマーク技術の収得が簡単になってきた原因だと思います。靴も固いプラスチックブーツでつま先だけ固定していても、ねじれが少なく剛性があって力を伝えてくれるようになってきてます。ビンディングも当然靴に合せて剛性が高いものに変わってきています。
私の使用している板、Dynastar IntutiveBIGやK2 Enemyなどは、柔らかめで踏めばしなってくれますので、後足だけでターンを自在に作れます。前足と後足の開き方のバランスでターン弧を作るというより後足加重の仕方だけでターン弧ができてしまうほどです。2005年からはATOMIC TM22を使ってますがカービングしやすい板で、
軽くて取り回しがよくて、好評な板でしたが、廃番になってしまって、今2本目を大事に使ってます。
テレマークもカービング板ならずいぶん楽にターンができます。谷足でターンを作ってしまうのです。
●疲れないテレマーク
ターンは楽になったが、やはりターン毎に低くしゃがみ込む姿勢を一日何百回もやっていたら足がへたってしまいそうですね。しかし、ターンの工夫によってセーブできることをここ数年で体得しました。
コツ1:後加重気味に後ろ足に体重をかけて板をつま先でしっかり抑えてエッジングを
感じるようにします。そこまで、乗るには後足への力の伝達は筋肉ではなく
骨と腱とで加重が伝わっていきますので、筋肉はあまり使いません。
これを、「骨で滑る」と呼んでいるテレの名手がいらっしゃいます。
この滑り方は、悪雪、新雪などの時に有効です。ショートターンはできないので
ショートターンで楽したいのなら、コツ4をごらんください。
コツ2:ターンは、ゆっくりと。ターン前半谷まわり時点では、あまりテレマーク姿勢を
意識しないで板が落ちる方向へ向けていく意識で加速していきます。
ターン後半、山まわりになった時に始めて後足に加重しエッジングします。
ターンが仕上がった時に瞬時に切り替えを行います。切り替えは早いほうが
いいです。早ければターンの慣性力で自然と上体が起きてくれますので、
筋肉を使って低い姿勢から起きあがる必要がなくなります。この慣性力を利用
したターンを連続しておこなうことで、しんどいテレマーク姿勢を何回もやっても
太股が破裂しないでもすみます。コツ4に通じます。
コツ3:当たり前ですが、筋肉を鍛えておくことです。
シーズンスタート時に、必ず筋肉痛になるのですが、これを短期間にやり過ごす
ためには、3日連続滑ることがいいと思います。1日滑って1週間後に滑っても
筋肉は鍛えられませんので、シーズンスタートは3日連続練習するというのが
いいと思います。
コツ4:2009年に栂池石木田さんの滑りを見たり、動画を見て勉強したのですが、
テレマーク姿勢を意識せずに、股を広く開いた状態から足を外側に振り回すように
前にだすことによって結構楽なターンができます。ただし、重心が高いので、バランス
が難しくなりますので、素早く左右ターンをくりだして、常に遠心力を受けてることで
安定なターンができます。新雪悪雪でもこのターンをするとすいすいといけます。
スピードがでるので、怖いですが、足は楽ちんです会得したい方は、石木田さんの
まほろば倶楽部で教えてもらってください。
コツ5:35度超えの急斜面新雪ぼこぼこ(稗田2の滑り方) 2013年2月
稗田2新雪でも朝一40分で、ぼこぼこになってしまいます。
特に、晴天が続いた後はこぶ上に新雪がのった状態で
難しいターンとなります。それをどうこなすかを工夫しました。
答えは、かんたんで、テレマークの基本滑りをすればいいです。
テレマークの基本は、前足と後ろ足でくの字を描いてカーブを作る。
それを急斜面でおこなうのですが、前足でターンを作って後ろ足を
遅れてターンに踏み出します。普段は、前、後ろほぼ同時にターンを
作りますが、急斜面では、後足で制動をかけるために、前より遅らせる
ことで、前足が斜面に落ち行こうとするときに、まだ、後ろ足は、山足で
減速がふいっとかかるということです。そのままでは、こけてしまうので、
適当に後ろ足加重を前足加重に移しながらターンのスピーコントロール
すればいいということです。その効果は抜群で、稗田2すいすい降りれる
ようになりました。 YOUTUBEをご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=SI3CRaPOSug
●細板、皮靴ではテレマークはできないのか
1980年代でも、頂点に立つ人たちは、すばらしいテレマークターンを
していましたので、技量があれば細板、皮靴でもすばらしいテレマークターン
はできるはずです。
世界戦あたりに行った話やビデオを見ると、本場ノルウエイあたりの滑り方
は、深く、しっかりとテレマーク姿勢をとっている姿です。やはり、後足をじょうず
に使って加重しているのではないかと自分では考えてます。
もう、細板、皮靴を処分してしまったので練習することもないですが
基本は、一緒だと思います。
ただし、ショートターンと堅い雪は無理だと思います。
●テレマークのメリット
アルペンスキーに比べ、切れない、遅い、小回りがきかないなど弱点はたくさん
あります。なにがいいのか、自分ではっきりとしないで20年間やってきてます。
強いていえば、ちょっと歩くのに具合がいいとか、道具全体が軽いとか山スキー
に適したメリットはあると思います。
でも、一番は、人があまりやってないスキーだからです。
上達がなかなかできない難しさがかえって、人をよせつけない、だからこそ
自分が挑戦するのだというふうに、山屋さん達の未踏峰をねらう気持ちに似た
ものがあったのではないかと思います。最近は、レベルが高くなってしかも人口が
増えてきたので、めずらしくはなくなってきましたので、より高いテクニックをねらう
テレマーカーが増えてくるかもしれません。